当初は真っ暗闇の中で出していたそうで、料理を出す側も「ふすまから○歩、敷居で右を向いて…」と覚えて出していたんだとか。でも、さすがにそれは辛いので、赤外線スコープ買ったらしいです（笑）
しかし、突発的イベントならまだしも定期的に開催となるとそれは飲食の提供業。すると明るさが最低10ルクス以上ないとダメ、という規定にひっかかっているという指摘があったそうな。（まあそもそも真っ暗闇で飲食の提供をしようと考える人は普通いないわけで、決してこういうイベントをねらい打ちにした規定じゃないでしょうが…。）
で、今はギリギリまで照明を落とした部屋で、アイマスクをしての食事となります。
出てくるのは懐石のように小さな皿一つずつ。もちろん熱々のスープとかそういう危険な物は出ませんが、汁物はあります。
最初は箸で食べようとするも、そもそも箸の先がうまく器に入らない、入っても物がつかめない（何だか分からないし）、つかめても口元まできれいに持ってこられない（ほっぺに食べさせようとしたり）という苦労があるので、早々に諦めて手で食べ始めた人もいた模様。どうせ見えないので、食べたもん勝ちです。
ちなみに、私は意地になって箸で通しました。箸の長さを何となく覚えてしまえば、意外にいけるものです。
さて、そんな暗闇ごはん。会場は浅草のお寺。なぜこんな企画がお寺で？というのは、是非参加して聞いてみていただきたいのですが、大きな理由は「食べ物に注目すること」。
腹が減ったら何か食べる。時間ができたから、今のうちにとりあえず腹に入れておく。お菓子適当につまみながら何かしている。
そんな「いただきます」「ごちそうさま」すら言わない状況は日常いくらでもあると思うのですが、それは食べ物に対して失礼である。もっとちゃんとありがたく、味わって食べなければならない。
しかし、ただ単に「大切にしろ」と説教したところでそんなの無理なわけで、海外で行われていたブラインドレストラン（盲目のレストラン）を参考に考えられたのが暗闇ごはん。
確かに、視覚がなくなると出てきたものが何なのか、自分の「目の前」にあるにもかかわらずどこにあるのか分からない。最初に使うのは嗅覚。香りのする料理なら、そこから漂ってくる臭いで推定できます。そして、手で器に触れて温度を、箸で触れて堅さや形を、口の中に入れれば嗅覚と味覚、そして舌で形や堅さを確認。
みんな（といっても10人程度）でアレでもないコレでもないと言いながら進めていきます。
DIALOG IN THE DARKの最後でワインを飲んだとき、「赤か白か分かりますか？」と言われて即答できなかったんですが、それが食べ物になると、より難しい。
最後は明るくしてもらって、ちゃんと料理の解説もあって歓談しておしまい。それまで仲良く話をしていたのに、アイマスクを外してしまうとなんかこっぱずかしくなってしまうのか静かになっちゃう人も。
食事だけでなく、普段からいかに視覚に頼りすぎているかというのを認識させられてとてもおもしろかったです。
ちなみに出てきた食事はこんなの。
暗い？当たり前。写真をものすごーく暗く加工したんだもん。
ここで全てネタばらしするようなことはしません。
暗闇ごはん
チャンスがあれば、是非行ってみてください。
きっと私同様、最後には「ぎゃふん！」ということになると思います。
そして最後になりましたが、誘ってくれた方に感謝。
自分も丁度先週の日曜に伍佰さん達と品川で出張開催してるのに行ってきましたよ～
目隠しすると普段食べてるものでも結構わからないものですよね
ちなみに自分は左手は素手、右手は箸の二刀流で食べました
2009/11/21 なめろう師匠