2009/05/25
清水の舞台から飛び降りるつもりと良く言われますが、清水の舞台を「しみずのぶたい」とか読んでいる場合じゃないなと思って、実際見てきました。
そんな音羽山清水寺のお話。
前日はさんざっぱら飲んで微妙に二日酔いではありましたが、清水寺へ。天気はとても良く、むしろ暑い。
バスを降りて坂をてくてく登り、仁王門。
仁王門の脇の方にも階段はあったのですが、一応ちゃんと門を通過して入ってみました。
すぐに見えてくるのが三重の塔。
そのまま進むと、正面に見えるのが随求堂(ずいぐどう)。ここにも仏像はあるのですが、その下がおもしろいことになっています。
本尊は随求菩薩(ずいぐぼさつ)という秘仏なのですが、その下を胎内と見立て、そこをぐるっと回って地上へ出てくるという通路があります。
その胎内めぐり中の視界。
まあ、写真を撮ったんじゃなくて、黒一色の画像を作っただけですが(笑)
ただ、このイメージは冗談じゃなくて、本当に真っ暗です。左手で数珠になっているロープだけを頼りにして進み、しばらく進むと闇の中にぼんやりライトアップされた石が浮かび上がります。そしてまた少し暗闇の中を進むと、光の差し込む階段があって地上に出てくるというわけ。
正直距離はそんなにないと思いますが、真っ暗闇で視覚が一切役に立たない環境だと長く感じます。前後にいる人たちがたいてい騒がしいのですが、光のない環境というのは自然界において体験することはあまりないのでまあしょうがないでしょう。
個人的には、闇と無音の中で瞑想とかしてみたいなーと思ったり。無響室借りてみればいいのかな。
さて、そこからしばらく進むと、こんな看板が。
本願である坂上田村麻呂公一千二百年御遠忌によるご開帳らしいです。仏像ではないので、ちゃんと像も人です。撮影はもちろん禁止だったので写真無しですが、公式ページには坂上田村麻呂像が公開されています。
ちなみに坂上田村麻呂がなぜここにいるのかというと、清水寺の基礎をいろいろと作った人だから。
坂上田村麻呂にちなんで、阿弖流為と母禮の碑もあります。
アテルイは読めたんですが、母禮はてっきりカミさんかと思ってました…。
調べてみたところ、母禮は「モレ」という人で、首長のアテルイを補佐した副将。全然知らなかった。
その場では気付かなかったのですが、この石碑、よく見ると東北地方の形が彫ってあります。
さて、やっと着くのが本堂。
普段はここまでしか入ることはできず、そもそも内々陣の秘仏は見ることすらできないのですが、この期間は御開帳していました。坂上田村麻呂のご開帳は、この御本尊御開帳にタイミングを合わせたものです。
もちろんここも撮影禁止。この秘仏は33年に一度御開帳されるそうですが、未だに学術研究すらされたことがなく、写真も一切非公開。上の写真にある本堂で見えるのは、これを模して作られたという「お前立ち」というもの。
千手観音の眷属である二十八部衆像は小さいですが写真があります。
風神・雷神、毘沙門天、地蔵菩薩の中心にある千手観音ですが、それぞれの手から結ばれたロープが手前まで伸びてきていて、それをつかんで願えば成就するということでした。何しろ千手ですから、ロープもたくさん。かなり暗いですが、どれもすばらしい像でした。
でも、秘仏でも何でもいいけど、ちゃんとほこりくらいは払った方がいいんじゃないだろうか…。
ちなみにこの本堂が、「清水の舞台」のこと。舞台から斜め下を見下ろすと、こんな感じ。
よくある角度から見ると、こっちかな?
下から見上げるとこうなる。
下に木があるとはいえ、結構な高さがあります。死なないまでも、重傷にはなりそうです。なお、何人くらい飛び降りたのか成就院日記から統計を取ったことがあるようなのですが、それによると死亡率は15%とか。江戸時代の頃の話ですから、今よりみんな頑丈だったんだろうか。(成就院日記から統計を取った、という話はWikipedia他いろいろ出てくるのですが、その一次情報は見つかりませんでした。)
その他、清水寺と言ってもいろいろなお堂があり、広いです。
百体地蔵堂
賽銭箱の後ろに人影がありますが、ちょうどお賽銭の回収に来ていました。
以前銀行に勤めていた人に聞いたら、お賽銭は通貨の種類ごとに分け、一万円札はなんちゃら銀行、千円札はほにゃらら銀行…1円玉はほげほげ銀行という担当分けをして回収していたとか。10円とか50円担当のところは、重いばかりで大変だったそうです。清水寺クラスになると、どうやって分けているのかは不明ですが。
阿弥陀堂
ここには法然上人も祀ってあるそうです。
濡れ手観音
濡れ手に粟にでもなるのかと思ったら、そういう煩悩にまみれた心身を清めてくれるらしいです。てへ。
音羽の滝
音羽の滝なんですが、ものすごい行列。一応帰り道の途中にあるのでちょっと行こうかと思ったのですが、あまりの待ち時間に萎えてしまい並びませんでした。
清水の舞台から飛び降りるなんて、やらなくてもいいなぁということを実際に見て確認してきた、そんな半日。
ちなみに建物ばかりでなく、緑もきれいでしたよ。
そしてこの後、乗るバスを間違えたりしつつ一路大原へ。
番頭は清水寺では体内巡りはしておりませんが、
信州信濃の善光寺で同じ体験をしております。
なんでやろ?
音羽の滝にはカワセミが棲みついていているそうです。
早朝行くと良いショットが撮れるらしいですよ。
2009/05/25 KYOはちみつ屋番頭
>>マタローちゃん
見るべき所ばっかりで、ちょっとやそっとじゃ回りきれないですね。
ちなみに池田屋の跡地は見ました。すでに池田屋は跡形もなく、その後いろんな店ができるもののどういうわけか長続きしないという不思議な物件だそうです。最近はパチンコ屋だったものの、それもつぶれて庄屋グループの居酒屋になったとか言っていたような…。
寺田屋のほうは今調べてみたところ、まだ旅館として残っていた…ことになっていたものの、実はそれは明治時代に再建されたもので、本物は鳥羽・伏見の戦いで消滅していた模様…。京都は歴史がありますが、その分戦争も多いですし町の中心部にある古い建物は残すのが難しかったのかもしれませんねえ。
2009/05/25 妖
>>番頭さん
近くに住む人ほど観光地は見ないものですからね。善光寺にも同じようなものがあるとは知りませんでした。
ちなみに善光寺は今7年に1度の前立本尊御開帳をしているようです。
早朝はとてもとても弱いのでパスで…。
2009/05/25 妖
京都いいな〜。
先斗町だっけ?いい飲み屋街があるよね。
行ってみたいな。
2009/05/27 パン生地
>>パン生地さん
「ぽんとちょう」ね。教えてもらわなきゃ絶対読めないよな~これ。
中を散歩して店はいくつか教えてもらったけど、入ってはいないです。いい雰囲気のところでした。
2009/05/27 妖
京都にござりまするか。
見所満載にござりますな。
拙者は、池田屋とか寺田屋を見とうござりまする。
2009/05/25 マタローちゃん