LAMYのコンバータ

2010/08/01

注意:この記事は、LAMYの万年筆をお持ちで、普通のカートリッジじゃなくコンバーターでインクを使いたいけどどうすれば良いのか分からない、という方が対象となるかなりニッチな内容です。しかも私も試行錯誤でやっているので、内容が間違っているかもしれません。

ふとしたきっかけで万年筆が欲しくなり、LAMYのAL-starを買ってみました。とりあえずブルーブラックのカートリッジでしばらく使ったりしていたのですが、その後インク瓶を無性に使ってみたくなり…。

コンバーターというのを入れればとりあえずすぐ使えるようになるらしい、というところは分かったのですが、その先の具体的なメンテナンスがよく分からない…。ずぶの素人が知りたい情報は意外にもネットに無いので、とりあえず買ってみた自分の経験から詳細を載せてみます。

そもそも何でボトルインクが使いたくなったのか、という点なのですが、LAMYのブルーブラックインクはカートリッジとボトルインクで中身が違うことを知ったためです。
カートリッジのインクは水でにじみますし、書いた直後だろうが1週間後だろうが当然ですがブルーブラックです。しかし、ボトルインクの方は、書いた直後はブルーブラックながら、それがだんだんと黒色に変化します。しかも、耐水性あり。ただし、副作用として詰まりやすいとか。(どこのメーカーのものでも、というわけではないので注意。)

書いた後、だんだんと色が変わるなんておもしろいじゃないですか!
ってことで、ボトルインクを使うためのコンバーターを買ってみました。

これがコンバーター。インクカートリッジの代わりに差し込んで使います。
赤いところがくるくる回るようになっていて、それに連動して中でピストンが動くようになっています。
コンバーター

コンバーターの真ん中あたりには、突起が付いています。
コンバーターの突起

この突起は、ペン側にはめ込むところが実は最初から用意してあります。カートリッジを差し込むだけの部分が何でこんな変な形なのだろうかと思っていましたが、ちゃんと意味ありました。
ペン側

この突起がぴったり合わさるようにセットします。今はインクを入れていない状態ですから、まずはピストンは最大まで押し出した状態にしておいてください。
セット

さて、LAMYのインクボトルには、拭き取り紙が最初から付いていて便利だから云々…とはけっこう書いてあるんですが、そもそも拭き取り紙って何?というレベルの私。
まあ、結論として名前の通りなのですが、ボトルの箱に図解してありました。要するに、最後にペンに付いた余分なインクを拭くためのものです。
図解1

しかし、この拭き取り紙、ボトルの下の方に付いているのは分かるのですが、どういうものか?というのもなかなか分かりません。
裏から見ると、ただの紙ですが、表側はインクを吸い取りそうな構造になっています。また、ちゃんとミシン目も入っているので、そこで切って使ってください。
裏側
拭き取り紙1

表側
拭き取り紙2

なお、このミシン目を無視して変なところで切ったりすると、切れっ端が巻き取り部分の中に入って引っ張り出せなくなります。こんな風に…
紙が出せない

その場合は、単純に瓶と巻き取り部を分離してください。引っ張ればすぐ外れます。
巻き取り部

箱のもう一つの図解では、瓶が複雑な形になっています。
(そして、この図解ではペンの先っぽしかインクにつけていませんが、最初はこれに騙されました。)
瓶の説明

実際に、拭き取り紙を外すとこんな構造。これは、残りのインクが少なくなっても最後まで吸い出せるように工夫してあるようです。
インクタンク部

さて、本番のインク補充作業ですが、実は先の図解の通り、ペン先だけインクにつけると失敗します。写真の赤矢印の部分にも隙間があるので、最低限そこまでインクにつけないと吸い上げられません。
表側
表側

裏側
裏側

瓶底まで押しつけるのはそれはそれで問題なので、私はこんな感じで持って、程よく水面まで浸かるようにして持ちます。あとは、ゆっくりとカートリッジの赤い部分を回してインクを吸い上げてください。
インク吸い上げ

ピストンが上端まで来たら終わり。矢印のところまで浸かるようにしていれば、すぐに作業は終わります。
吸引後

あとは、表面に着いている余計なインクを紙で拭き取れば終わりです。この紙が思っていたより高性能で、一発できれいにしてくれます。なお、ティッシュなどは繊維がペン先に付着してしまう可能性があるため、使わないほうが良いようです。
拭き取り紙

以上。

おまけ
水洗いするときは同様の要領で水道水の吸入→排出を繰り返せばカートリッジ式より楽にクリーニングできます。乾かす際は、ペン先をふきんなどに当てて置いておくと乾きが早いです。

はっきり言って、普通にボールペンを使った方が手間もコストも楽だと思います。でも、長く使えるし、だんだんペン先が削れて自分に馴染むようですし、使ってみるとけっこうおもしろいもんですよ。

コメント

渾身のリポート。
巻紙がよく出来ています。
こういうの添えもんだと思ってしまうけど、違うのね。
東洋の硯と墨と筆に対して、西洋は合理的で機能的。
もちろん、筆も立派な道具。1500年以上も文字を残せる。

しかし、これ↑立派なマニュアル。
妖さんはチャレンジャーだよね。
火傷くらいなら平気だもんね。

2010/08/01 「T」

>>Tさん
それが、今はカーボンインクという、要するに墨のインクがあるようです。詰まりやすいみたいですが。
和紙に墨の字は1,000年以上平気でもっていますから、石版にはかなわないにせよ世界に誇れるレベルですよね。

火傷ネタは…まあ、あれ、火傷してないですから。毛は焦げましたけど(笑)
別の火傷はげふんかふん。

2010/08/01 妖


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