ブルームーン(カクテル)

2010/04/04

前回の記事で書いたとおり、2回目の満月をブルームーンと言うのは確かなのですが、それは1946年に天文雑誌の誤解からできた解釈。では本来のブルームーンは何なのかというと、どうも青く見える月のこと…だけでもないみたい。

何が本当かは分からないけど、今回はカクテルの話。

ジン、バイオレット、レモンジュースを基本としたレシピの、シェークして作るショートカクテル。

ブルームーン
ブルームーン

青いカクテルならチャイナブルーとかブルーマルガリータとかのほうが有名でしょうが、そもそもこのブルームーンは青くありません。
レシピにも入っている「バイオレット」というニオイスミレのリキュールは、名前の通り紫色なんです。だから、このカクテルも青というよりほんのり紫。細かく言えば、作った直後はシェークで泡立っているので気泡の白。少し落ち着くと、ほんのり紫。ずっとほっておけば薄紫にでもなるんでしょうが、ショートカクテルですからそうなる前になくなってしまいます。

レシピによってはバイオレットでなくブルーキュラソーを使って真っ青にすることもあるようですが、このカクテルの場合名前がブルーだからって無理に青色じゃなくてもいいかな…


そもそもブルームーンという言葉自体、由来や意味が揺らいでしまっていて何だかよく分からないのですが、実はカクテルも最初にどこで作られたのかが諸説あって不明。流行したのは20世紀中盤のアメリカのようですが、当時使われていたバイオレットはCrème Yvetteというもので、1969年で製造中止(去年復活したらしい)。つまり、レシピはCrème Yvette製造中止後に代替品としてバイオレットが使われるようになってからのものということになります。
比較的最近のレシピであるはずなのに、上に書いた「ジン、バイオレット、レモンジュース」以外に、「ジン、ブルーキュラソー」(これはまだ理解できる)というのや、「ウォッカ、ブルーキュラソー、ホイップクリーム、バニラエッセンス、オレンジジュース、オレンジキュラソーのフローズンスタイル」(もう完全に別物)なんてのまであります。
現在のレシピに使われているバイオレットは、パルフェ・タムールというフランス出自のリキュール。Parfait Amourは英語だとPerfect Loveになり、もともとは貴族の間で媚薬としてもてはやされた代物。しかし、香り付けに使われているニオイスミレは毒草。
何だか日本語の情報ではこのカクテルに「叶わぬ恋」や「できない相談」という意味があると言及されていることも多いのですが、同様の情報は英語で検索しても見つかりませんでした。材料に「完全なる愛」が含まれているのに…


まあそんなこと知らなくても、ジンのクセにスミレやその他もろもろの香りが配合されておいしいですよ。ギムレットやマティーニのようにジンそのままでは飲みにくいという人でも、これなら楽しめるんじゃないかと思います。

コメント

ジンと聞いて(ry
いいなぁおいしそうだなぁ。
今度飲みに行ったら作ってもらおう。
ギムレットも美味いけど、ホワイトレディの方が味は好き。

2010/04/04 かにゃ

>>かにゃ嬢
ホワイトレディのコアントローをバイオレットに変えたのがブルームーンですよ。

2010/04/05 妖

ほう。ますます飲みたくなったのだぞ!

2010/04/05 かにゃ


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