「古酒」 しかし沖縄ではない

2010/03/02

古酒
多分これを「クース」と読む人のほうが多分多いんじゃないかと思いますが、今回は泡盛の話じゃなくて日本酒。

日本酒の古酒は最近けっこう見るようになってきましたが、実はその定義は曖昧です。以前は、製造してから1年以上経ったものを古酒と呼んでいました(正確な表現ではないですが、大雑把に言って)。つまり、作りたての「新酒」に対して「古酒」だったわけです。
それが、いつの間にか古酒は数年程度熟成したした「長期熟成酒」のことを指すようになっていました。もっとも、吟醸酒とかは普通に熟成してから出荷しているので熟成酒という表現もまた曖昧なんですが…。

まとめると、うまけりゃいいってことです。はい。

そんなわけで、古酒を楽しんできました。
古酒

比較的若い3種類と、逆に長期熟成の3種類それぞれのお試しセット。
奥左:天寿古酒(大吟醸 2001 秋田 天寿酒造
奥中:完熟純米(純米 2001 鳥取 千代むすび酒造
奥右:誉麒麟(きもと本醸 1998 新潟 下越酒造
前左:熟・純・米(純米 1999 岐阜 小町酒造
前中:古今(純米 1982 千葉 木戸泉酒造
前右:勢正宗 もち酒(糯米四段 1979 長野 丸世酒造

「日本酒を買ってきたら、そのまま封を開けずに5年くらい台所の下か地下室にでも置いていくと別物ができる」という話だけはずいぶん昔に聞いたことがあったのですが、さすがに自分で試したことはありませんでした。それが最近ちょこちょこ飲む機会も増えてきて嬉しい限り。
もっとも、「最近飲めるようになってきた」というのは、ずーっと前から古酒として造るために仕込んでくれていた人がいるおかげなんですが。

普通に飲むときはあまり本醸造は好まないのですが、熟成酒にするとどうも純米吟醸などより本醸造とかのほうが私の好みにあっているようです。
元が純米酒や吟醸酒などの場合、さっぱりした味になっているような気がします。それに対して本醸造などの場合、熟成後はとても落ち着いた飲み応えのある味。まだそんなに飲んだことはないですが、今までのはそんな傾向だった気がします。

古酒の研究は蔵によっては相当以前からやっていたようですが、それでも一回試して結果が出るまで数年かかってしまうため、まだまだ研究段階だとか。考えてみればウイスキーだけでなく泡盛、紹興酒、ワイン、ブランデー、シェリー、カルバドス、ラム…と長期熟成酒はたくさんあります。日本酒の古酒はかなり昔から存在はしていたようですし、熟成酒として復権したらおもしろそうです。

今からやって何十年先になるか分からないけど!

コメント

日本酒の古酒ですか・・。非常に興味ありますね。凄い色になっとりますけどw

この前それこそ沖縄でクースー飲んできたんですが、意外とさっぱりしてましたね。もっと重々しい味がするのかと思ってたんですが。

2010/03/03 たつき

>>たつき
たいがいは多少なりとも黄色っぽくなってますねぇ。右手前のみたいに真っ黒いのはさすがになかなかなさそうだけど…。

クースーはそんなに飲んだことないですが、言われてみれば重い味ではないかも。それ以前に沖縄行ってみたい。

2010/03/03 妖

日本酒の古酒は知っているんだけどまだ未開・・・貴重なレポありがとうございます。

2010/03/03 さかい

>>さかいさん
燗酒とか古酒とかになると、既存の有名ブランドとは違うところがいろいろ出てくるので面白いですよ。
実際、今回飲んだのはどれも初めて聞いた蔵のものでした。

2010/03/03 妖

今まで日本酒を寝かしておく習慣がなかったのは、なぜなんでしょうね。新しいものを尊ぶ、日本人の気質かしらん。

2010/03/03 伍佰

>>伍佰さん
かなり昔から熟成した日本酒自体は存在したみたいですよ。
ただ、蒸留酒に比べて度数も低いし、今みたいに安定した貯蔵場所が確保できたとは限らないと考えると悪くなっちゃうのが多かったのかも?

2010/03/03 妖


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