モンステラ酒

2009/12/02

屋久島の最後に「この話は別途…」とだけ書いたモンステラ。
途中でスピリタス燃やして遊ん実験したのも、別に燃やすのが目的だったわけではありません。
そんなモンステラの話。

そもそもモンステラって何?という方が多いのではないかと思いますが、通常は観葉植物として流通しているようです。
しかしこのモンステラ、屋久島ではだいたい10月の1ヶ月間程度だけ食用になる実が売られているらしい。

ちょうど10月に行くとなれば、当然買うわけですよ。

これがモンステラの実。
モンステラ

何をどう食べて良いのやらあまり想像つきませんが、これは収穫1日目の未熟の状態。売っていた店で聞いたところによると、しばらくほっとけば下の方から表面が取れてくるそうな。
すぐに食べられるものではなかったので、家に持ち帰ってきて台所に放置してみました。

6日後。確かに下の方が開いてきた!
6日後

7日後。あっという間に開きだした。しかも、台所に甘い香りが…
7日後

8日後。持つと下の方の皮(?)は勝手に落ちる状態。香りもバナナのような蜜のような…。
8日後

とりあえず手で皮をむいてみたのですが、下の方から熟しているせいか、まだ上の方は取れませんでした。
むいてみた

皮がはずれたところはさすがに食べられるだろう、ということで早速(1週間以上お預け後で早速もないか)いただきます。
売っているところのおねーさんに「トウモロコシむしって食べるようにすればいいんだよ」と言われてもさっぱり分からなかったのですが、この状態を見れば意味が何となく理解できた…。

で、下の方からむしって食べてみたのですが、「パイナップルの酸味とバナナの甘味がMIXされたような」味というのに納得。ただ、ちゃんと追熟していると酸味はかなり少なくなっています。

けっこうおいしくて黙々ともぐもぐしてました。でも、蜜がたれるので手がべたべたになります。台所で立ち食いしてて正解だった。
食べた

これ、形を整えて食べたわけではなく、むしっては食べむしっては食べを繰り返していると写真のようになっちゃうんです。
とはいえ実際は全部食べたわけではなく、途中で量も多くて辛くなってきたので果実酒に挑戦してみました。だから隣にスピリタス。

スピリタスにしたのは、普通のウォッカでのんびり浸出を待っていられなかったのと、かなり水分があるのでどこまでアルコール度数が下がるか分からなかったから。ネットで検索しても「モンステラ酒」なんて事例は見つからないので、とりあえず腐るとか浸出できないとかの失敗のない手段を取ることにしました。

そんなこんなで仕込み完了。
仕込んだ

なんだか見た目が変なことになっているのですが、腐ったりする心配だけは絶対無いので放置。


待つこと3週間。できた…のかな?
(本当は2週間くらいで良かったんだろうけど、忙しくて放置してた。)
モンステラ酒

最初の感想:
アルコールだった。そりゃあ水分で薄まったとはいえスピリタスだからね…。

水で2倍くらいに希釈した後の感想:
まだアルコールが刺さる。しかも、なぜか焦げ臭いような臭いがする…。確かにモンステラの実の甘さと香りもあることはある。

ちなみにここで使った水は、片道100kmほど運転して汲んできた湧き水だったりする。
汲みに行った場所はこんな山道。無駄に高コスト。
水汲み

まあ、ぶっちゃけここまでやってちょっと泣きそうでした。屋久島から買ってきたモンステラを一週間お預けになって、腕燃やしつつ果実酒作りに挑戦して、出来上がったところで濾過に失敗してけっこう大量にこぼして、水で薄めて1日置いて味見したら美味しくないんだもん。


せっかく作ったしまぁ飲むかー。と、ナイトキャップにして1ヶ月近く経った頃でしょうか、冷蔵庫に入れていたモンステラ酒の味がずいぶん馴染んできたような気がします。焦げ臭さもだいぶ抜け、少しずつ落ち着いた甘さが感じられるように。アルコールもちょっとカドが取れてきました。

もしかして、熟成が必要なのかなコレ。そもそも実も買ってきてから追熟しないと食べられなかったし、ちびちび飲みながら様子を見ています。(この味に慣れてしまっただけ、というわけではないと思いたい。)

しかし、来年もう一度作ろうとしてもそもそもモンステラの実が入手困難なんですよね。存在自体がマイナーだし、屋久島で買おうとしたときも品切れで「今日収穫に行ってるから、明日並ぶよ。」とか言われるようなのどかな扱いですから…。

果たして飲み終わるまでにまともな味まで熟成されるのだろうか?

コメント

南洋では地面によく落ちてますが、食べられるとは初耳。今度見かけたら拾ってきます。

2009/12/02 伍佰

>>伍佰さん
暖かいところだと花が咲いて結実するようですが、落ちているのはもうすっかり熟してしまっているのでは?
熟してくると鱗みたいのが取れて、柔らかい実と蜜であまり持ち歩くのには向いていないと思いますよ。

2009/12/02 妖

一瞬タイの海の中にいたナマコ?かと思いました。一週間放置して食べられるというのが面白いですねwお酒もさすがです!

2009/12/02 a*ko

>>a*koさん
本当は木(木じゃないけど)で熟すのがいいんでしょうが、そうすると畑で食べるしかないくらい輸送には向かない感じです。

しかし、言われてみればこういうナマコいそうだ。南部美人によるナマコ酒レポートお待ちしております。

…と、ふざけて書いたら、なんとナマコ酒装置という実用新案登録見つけたんだけど、何だコレ?
http://www.jipei.com/ei/ins...

2009/12/02 妖

モンステラ自体は観葉植物としてどこでもうってるけど、実がたべられるのは
まったく知りませんでした。

売ってるところまったくみた事ないです。

2009/12/02 kernel

>>Kernelさん
私は観葉植物の方のモンステラすら名前知りませんでした。葉っぱの形を見て「ああ、あれか!」とはなりましたが。

別に屋久島に限った話ではなく、小笠原や沖縄など要するに暖かい地方では一応食用になっているようです。
http://allabout.co.jp/gourm...
なぜ追熟させる時に「ラップに包む」なんて書いてあるのかはよく分かりません。私の場合は普通に台所に放置しているだけで大丈夫でした。

買った直後はかなり締まった状態なので、輸送にも十分耐えると思います。でも幻となっているのは、単にマイナーすぎて生産量が少ないのか、栽培が難しいのか…。栽培しようとしている人はいるようですが、ネット通販すら見つかりませんでした。

2009/12/03 妖

モンステラって、サトイモ科で毒性(シュウ酸カルシウム)あるんだ…。だから葉っぱや根は食用不可。

そのくせ実だけは食べられるってのも不思議な話だ。

2009/12/03 妖

>>妖さん
では熟していないのを樹からこっそりと…

英名はSwiss cheese plant, Mexican breadfruitというそうです。食用でうまいからこそこの名前?でも東南アジアの食用植物図鑑にも載ってないんですよね。

2009/12/03 伍佰

>>伍佰さん
http://en.wikipedia.org/wik...
すごいいっぱい呼び名があるんですねぇ。

で、未熟状態だとやっぱり実も毒性あるんだ。
待ちきれずに食べちゃう人が必ずいるだろうことを考慮してあまり一般に流通しないとか?

2009/12/04 妖

>>妖さん
Delicious Monsterなんてのもありますねw

流通しない理由は、毒にありそうですね。
それでも食べる地域があるのは、よっぽどおいしいのか、その地がとても貧しかったのか。
屋久島はどちらだろう。

2009/12/04 伍佰

>>伍佰さん
モンステラ食べるのは屋久島に限った話ではないようですが、すごくおいしいと思いますよ。
作付けから収穫できるようになるまで時間もかかるようですし、貧しかったからという理由ではないんじゃないでしょうか。

2009/12/04 妖

ちょっと飲んでみたい...

2009/12/14 nanami

>>nanamiさん
実はまだ全然減っていません。今別のお酒が冷蔵庫に大量に入っているため、まだまだしばらく残るんじゃないかと思います。(その酒の記事は後日に。)

どうしてもちょっと刺さる味が取れないんですが、アルコールなのかなあ…

2009/12/14 妖


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