リチャー

2009/11/20

午前中にマンズワイナリーを見てジンギスカン後、午後はサントリーの白州蒸留所を見学に行きました。
見所は「リチャー(Recharing)」

ニッカの宮城峡(ずいぶん前に行きました。地元だし。)もきれいなところでしたが、ここもちょっと紅葉が始まっていたことも相まってきれいな森の中でした。
白州蒸留所

白州蒸留所2

着いたらまずは買い物…ではなく、ちゃんとお勉強から。
酒の違い
中に入ると、まず最初にビール、焼酎、ウイスキーの違いを説明したパネル。最初に発酵させた段階で終わりなのがビール。1回蒸留するのが焼酎。2回(場合によっては3回)蒸留するのがウイスキー。途中の工程で入れる物が違ったりとかはあれど、確かにこの区分は分かりやすいかも。

そして、これがウイスキーの香りにおいてキーの一つとなるピート(泥炭)。
ピート
ビールもウイスキーも麦芽(発芽大麦、これがモルト)を原料にするのですが、ウイスキーはモルトをピートでいぶすときにこの香りが着きます。

で、そんなモルトを原料にまずは仕込。仕込の段階で、モルトのデンプンを糖にします。温水と砕いたモルトを混ぜれば、酵素の働きで糖化が起こるという反応。

で、次にこれを発酵させてアルコールにします。発酵には未だに木の樽(しかも容量約71klとか)を使っています。
木の樽

あとは蒸留して度数を上げて、樽に入れて寝かせて、天使の分け前が減って、美味しいウイスキーになっていくという算段。蒸留のポットスチルとかは写真もよくあるし省略。


工場見学終了後、敷地内をバスで移動して着いたのが「リチャー」を行う場所。リチャーというのは、樽の再生作業です。

そもそもウイスキーを熟成する樽は、中がこんな風に焦がしてあります。
樽内部
実はcharっていうのが「焦がす」という意味なので、意味はそのまま「再焦がし」。

このお焦げがウイスキーの熟成には重要らしいのですが、焦がした樽も30~40年くらい使うと熟成力が弱まってしまうそうです。寿命が来た樽はそれでおしまい…ではなくて、このリチャーという作業で回復させます。

何をするかというと、焦がすんだからまず着火。
着火

けっこうすぐに火が回り、勢いもあります。
燃え初め

ですが、炎の色がすぐに青くなってきます。樽にしみこんでいるアルコールが安定して燃焼し始めるんでしょうか?
青い炎に

ほっとくと片方ばかり燃えてしまうので、ぐるぐるーっと回して、もう一度火を回復。
ぐるぐるー

回した直後はたき火のような炎が出るのですが、やっぱりすぐ青くなります。
やっぱり青い炎
よく見ると上からも炎が吹き出しています。あの穴は中身の味見用か何かだろうか?

しばらくするとおじさんが柄杓に水を入れてもってきて、ぱっぱっと振りかけます。
すると、青い炎から通常の炎に。
普通の炎に

少量の水で炎を調整して、逆に火は燃え上がる状態に。
燃え上がれ
この状態が「リチャー」で画像検索すると出てくる写真に多いようですが、実際には青い炎の時間が長いです。

で、柄杓を少し大きく一振りしたと思ったら、いきなり鎮火。
鎮火
さっきまでは水かけてあれだけ炎が上がっていたのに、一瞬で鎮火という職人技すごすぎです。

さすがにこの後はどよめきとともに拍手。石油工場のダイナマイト鎮火並にすごいよきっと。ダイナマイト鎮火見たことないけど。

その後は軽く試飲したのですが、酒飲み集団とばれていたせいか閉館時間に近かったせいか、あわただしく終了。またもや酒盛りバスで帰ってきたのでした。

ちなみにお土産はこちら。
お土産

そんな酒好きご一行の一日。

コメント

思い出したので、リチャー作業の動画を編集して、ようやくUPしました(数十秒程度だけど)
しかし写真キレイに撮れてますね!

2009/11/20 りすた

よし、それもって仙台に(ry

2009/11/20 かにゃ

>>りすたさん
見たよー。確かにこれは動画で撮った方がおもしろいかもね。解説も聞けるし。
写真は、下手な鉄砲ってやつです。実はここに出した以外にも相当の枚数撮ってます。

>>かにゃ嬢
なんかこのまま行く行く詐欺が確定しそうな予感。
最近ウイスキーが台所にたまってきてて、これだけで試飲会が開けそうになってきた。

2009/11/20 妖


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