ウイスキーよりも年上なバー

2009/09/20

bar TARU
「古い建物にある古いバーだよ、でも、もうすぐなくなっちゃうらしいよ。」という情報を聞き、早速行ってみました。

確かに調べてみると、このバーや建物について言及しているブログも多いみたい。

大人のカクテルを楽しむ酒場
メニュー
なんというか…まだ何も食べてないけどいい味出してます…

趣のある入り口。
入り口

隣にある看板。
50周年
50周年記念。
でも、50周年記念だったのは、実は2003年の話。このバーは1953年開店で、すでに56年経ってます。

アーチ状の入り口を入ると、地下への急な階段。
階段の看板
スケルトンの樽を見ながら、下へ。ちなみにこの階段、酔っぱらいはかなりの確率で転がり落ちると思います…。

入ると出迎えてくれるのはジュークボックス。
ジュークボックス
これ、本物です。復刻版ジュークボックスはたまに見かけますが、これは年代物。中に入っているのはドーナツ盤のレコード。何枚もレコードが入っていて、曲のリクエストがあると機械がガチャガチャ動いて一枚をセットし、針をを当てて優しい音が流れます。
曲名リストも、全部手書き。曲も60年代から70年代くらいのもの。


ここは「ニッカウヰスキーが飲める銀座の店」みたいな小冊子に載っている店だったのは知っていたので、ニッカの何があるか聞いて、宮城峡をロックでいただく。

そして、一段落したところで目的の一つであったオムレツを注文。
オムレツ
プレーンオムレツ。特に何が入っているわけでもない。至ってスタンダードなオムレツ。でも、マスターがカウンターの隅で卵を割ってじゅーじゅー作ってくれるのがいい。

そんなこんなでのんびり話しながら飲んできた一夜。


ちなみに現在手に入るウイスキーで長期熟成のものは50年熟成程度。そんな50年熟成でもギネスブックに登録されているSpringbank1919は1919年に仕込み、1970年にボトリングされたもの(40年も経ってまだ流通在庫があるのもすごいが…)。
「天使の分け前」のせいで、50年の熟成の間にほぼ4分の3がなくなってしまったそうな。計算すると、年に3%くらいずつ天使の分け前が減っているようだ。


開店から50年を超えているバーもすごいが、実はこのビルそのものはもっと古い。
銀緑館ビルというのだが、1924年(大正13年)竣工で、築85年!
関東大震災の翌年に建築され、現存。
手動エレベーター
エレベーターは手動。ボタンを押すと5Fにあったエレベーターが下まで下りてくるのだが、1Fに着いたらそのまま静かになるだけ。ドアの注意書きを読むと、「上行き、下行きのランプが消えたら着いています」とのこと。

そんなわけで、よっこらしょっとドアを開けてみた。
蛇腹
そしたら、もう一つ手動の蛇腹が現れた!
こんな骨董品、どうやってメンテナンスしてるんだろう…。

スイッチだってこんなん。
スイッチ

銀緑館ビル
このビル、けっこう有名らしいのだが、残念ながら今年いっぱいで取り壊す予定らしい(不確定情報)。今年じゃないにしても、松坂屋周辺の再開発計画とかテナントの入り具合を見れば時間の問題でしょうが…。


参考資料:
銀緑館 大正生まれの建物
銀緑館のBar TARU(樽)

銀座みゆき通周辺
 ※このページの一番下に載っている。

コメント

すごい素敵ですね!!!
どこにあるんですか???
いや、ほんとに素敵。。。

2009/09/20 まるこ

あ、リンク先みました!
いやちょー好み!!!!!
銀座ってあんまり行ったことないけど、
すごく行ってみたくなりました★

2009/09/20 まるこ

>>まるこさん
http://r.tabelog.com/tokyo/...
銀座松坂屋の2本裏です。
ちなみに味やカクテルはいたってスタンダード。2人連れがカウンターに、4人までがボックス席、それ以上が奥のテーブルという感じでした。私が行ったときは1人客は見なかった気がします。

2009/09/20 妖

うわ、土曜にぶらぶらしてたので行きたかったです。おしい!

2009/09/20 a*ko

>>a*koさん
実は上の写真、昼に撮った写真と夜に撮った写真が混在しているんだけど、昼バージョンは昨日撮りに行ってました。バーの話だけならもっと早くにアップもできたんだけど、先に夜に行ったから全景が欲しくてねぇ。

ちなみに、銀座は探すと有名・無名含めて古い建物がけっこうありますよ。
この写真を撮った帰りに工事中な空き地があったのですが、普段なら隠れて見えない隣のビルの裏側が何と木でした…。5階建てだし全体が木造ってはずはないけど、さすがボロビル多いだけあるなと思いました。

2009/09/20 妖


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