海亀、くさや、島寿司…八丈島料理

2009/07/22

八丈島料理ってことで、いろいろ食べてきました。
メインは海亀。亀ゼリーはまずいと有名ですが、これは漢方薬で煮込んだようなものだからとか。
今回食べた料理はそれぞれおいしかったですよ。

まずは調理前の亀肉。亀肉です、と言われても、もう何が何やらよく分かりません。
(おもいっきり頭が入っていても分かりやすいとはいえグロテスクすぎますが。)
亀肉
生肉の状態で見ると分かりますが、赤身です。

煮込み
最初に出てきた煮込みだと、赤身部分は普通に肉でした。全体としてはおいしいモツ煮込み。歯ごたえも良く、一緒に飲んでいた島焼酎とも合います。

天ぷら
こちらはてんぷら。一緒にあるのはにがーいゴーヤ。部位によっては脂っぽいので、ゴーヤの苦いのがちょうど良かったです。

炒め物
炒め物。薬味代わりに明日葉が入っています。赤身肉の部分はおいしかったですが、脂っぽい部分はちょっと苦手でした(もともと脂身があまり得意じゃないので)。
すっぽんにも似た感じの部分が多かったです。

味も染み込んでいて、脂もそれなりに落ちている煮込みが今回の中では一番おいしかったですね。ただ、海亀は生臭かったというようなことを言っている方もいるので、調理法次第でおいしさは違うのかもしれません。

なお、お店の人によると海亀の漁は行われておらず、たまに他の漁の網にひっかかってしまった場合に、それが流通するだけだそうです。注文すれば入荷するものでもなく、そもそも食品としての流通ルートにすら乗っていないとか。
ただ、この話は裏取りをしようとしたのですが、なんだかイマイチよく分かりません。ワシントン条約(CITES)では、確かにウミガメ科全種が附属書Iの対象になっており、商業目的の国際取引は禁止されています。
しかし、独立行政法人水産総合研究センターにある資料だと、日本国内においては漁業の対象になっているような記述がありますが、水産庁の統計資料では、海亀の漁獲量なんて載っていません(あるとしても、多分「その他」の区分に入ってしまう)。
海亀の漁獲量に関する資料はMDBにはあるようなのですが、情報料が高すぎて個人契約なんて無理…。

そんな状態でさらに探し回ったら、やっとまともな資料を見つけました。
こちらのサイトの「日本の海亀漁」というところ。2007年6月1日の朝日新聞の「土曜フォーカス」という記事があります。
簡単にまとめると、東京都漁業調整規則で規制されているが、伝統として一定の制限の下で細々と行われているということ。数えるほどしか獲っていないのであれば、当然そう簡単には流通しませんわなあ。


さて、今回は島料理ということで、海亀以外にもいろいろ出ました。こちらはくさや。
くさやの燻製
ちっちゃいですが、これはくさやの燻製。残念ながら、誰かジョロキアなどの超辛い唐辛子を触った手でこれにも触ったらしく、辛い味しかしませんでした。
店の人によれば、くさやというより燻製の香りのほうが勝っているとか。

くさや
なんかのくさや。スタンダードな一品。

キンメと豆あじと何かのくさや
キンメと豆あじと何かのくさや。基本的に何でもくさやにはできるらしく、トビウオなどのメジャーな魚がない時期はいろいろ変なのをくさやにしてみたりするそうです。時にはイカのくさやもあるとか。

トビウオのくさや
これはトビウオのくさや。くさやとしてはメジャーなもの。

唐辛子
くさやの燻製の味が分からなくなった原因たち。
黒い粒がブラックパール、黒い細長いのが黒炎、オレンジのが五色唐辛子、薄緑色のがジョロキア。
私は悶死したくなかったので、触ってもいません。今回の参加者の中にもジョロキアの犠牲となった方がいたようです…
ちなみにこれは、店が出してくれたのではなく、今回の幹事が家庭菜園で栽培しているもの。
ジョロキアとかのレベルまでくると、カプサイシン取扱のための危険物取扱者資格が必要だと思います。乙種第7類とか作りましょうよ。

これは島寿司。
島寿司

島寿司アップで。
島寿司アップ
いわゆる「漬け」を寿司にしたものですが、酢飯もかなり甘くなっています。ネタにもご飯にも味がついている状態なので、そのまま食べます。
写真は撮っていませんが、同様の作り方をされた鯛の寿司もありました。
通常の寿司も好きですが、これはこれでおいしいです。むしろ中途半端に高い値段でうまくないネタの寿司を食べるよりは、こっちのほうがいいや。

ながらみ
一般名はダンペイキサゴという貝らしい。ほんのり甘くてついつい食べてしまいます。昔はおやつに食べるくらいメジャーなものだったようですが、今となっては貴重品とか。
初めて食べました。


そんなこんなでおいしく、そして臭く楽しんできた一夜。
くさやの臭いが服についてしまったので、帰ってきたらとりあえず洗濯しました(笑)


おまけ
DMZ
なぜか店にあった38度線(DMZ)の鉄条網。

コメント

うちの近くの八丈島料理屋では、
島寿司にからしが使われていましたが、
ここのはどんなでした?

2009/07/22 りすた

>>りすたさん
ここでは特に一緒には出てきませんでしたが、島寿司は基本的にからしのはずですよ。別の店で島寿司を食べたときはからしが出てきました。

2009/07/22 妖

通常からしです。

八丈島唐辛子醤油で
たべる人もいます。

2009/07/22 kernel

>>kernelさん
補足ありがとうございます。
唐辛子醤油にチャレンジはお任せしました…

2009/07/22 妖

オフありがとうございました。
海亀はあくまでおおっぴらに漁はしてないということになっている(大人の事情)ということです。
伊豆諸島(特に小笠原)昔から食べられている習慣があるので黙認していると。

近々海亀入荷の予定です。船の関係で2週間から1ヶ月かかりますが。blog、mixiコミュで告知します。小笠原から分けていただいています。

八丈島でも亀食はされていて、生の肉(冷凍ではない)が手に入ることもあるようですが、本土には流通しないです。

塩茹、串焼きは聞いたことないですが、軽く湯がいてから炭火で串焼ききするとおいしいかもしれませんね。今度試してみます。通常のメニューには載せられないかと思いますが、入荷日には限定で出来るかも。
ポピュラーなのが、煮込み・から揚げ・新鮮なものに限り刺身(行政では推奨されていませんが、昔から習慣で食べられてはいます)。

島寿司にはネタとご飯の間にワサビではなくカラシが入っています。
更に唐辛子&ワサビしょうゆで食べる方や、カラシだけ別添えで食べる方など様々なようです。

漬け汁に唐辛子を入れる(べっこう漬け)島もあるそうです。

8月7日~18日の日程で八丈島行って来るので、なにか面白そうなものがあればお店に送る予定です。

長々失礼しました。

2009/07/31 こっこめ

>>こっこめさん
先日はお世話になりました。お店に一番乗りしてた妖です。
いろいろ解説ありがとうございます。

以前は肉類も生でよく食べていたのですが、ちょっと流通とかを調べてからは食べなくなりました。
亀が無いときでも、普通にまたお店は寄らせていただきます。

では、八丈島行ってらっしゃいませ。

2009/07/31 妖

ここに載ってる貝はながらみとは違う貝ですか?
わたし貝類ちょーすきなんです><

ウミガメはニモを思い出してちょっとブルーになります、、ね、、、

2009/09/06 まるこ

>>まるこさん
あ、ナガラミです。その名前を本文中に書くのをなぜか忘れてしまっていたようです。
とても美味しかったですが、他では見たことないですねえ。

そしてニモは見てないのでまったく気にせず食べてました…。

2009/09/06 妖


一覧に戻る